初心者イラストレーターが悩みやすいポイントとその対策:基本的なイラストスキルの不足

ノウハウ紹介

こんにちは!フリーランスイラストレーターのオデと申します。
今回の記事ではタイトルにもあるように「初心者イラストレーター・イラストレーターを目指す学生やフリーランスの方が悩みやすいポイント」について解説していきます。
イラストを描くにあたり多くの人が直面するであろう問題についてのお話です。私自身も多くの項目に当てはまっていた一人ですので、この記事を読んでくださっている読者の方も一つや二つ、共感できる項目があるかもしれません。

各項目でお悩みポイントの解説と、その問題に対するアプローチについて書いていきたいと思います。気になる項目だけでもぜひ読んでください。

1

お悩み:基本的なイラストスキルの不足

イラストを描いても、自分の納得いく作品にならない…。
憧れのイラストレーターさんのイラストを真似(ここで言う真似とはパクリではなく要素を学ぶという意味です)しても、思うような出来栄えにならない…。

このような思いをして、せっかく描いた作品を破棄してしまう。そんな経験はありませんか?
自分の理想と現実のギャップを感じた時、人は自信を失ってしまいます。
ラフの構図や線がの強弱、人体デッサンのバランス、背景の透視図法やら消失点やら、アオリやフカンなどの呪文の数々…気が狂いそうになります。私はなりました。


RPGゲームをイメージしてみてください。
例えるなら、イラスト作品を完成させることは「敵を倒すこと」です。イラストを描く(ラフ=色塗り、加工など)ことは敵に攻撃すること。デッサンなどの技法を学んだり、目の描き方や手の描き方を練習するのはスキル(必殺技)のレベルを上げることに該当します。
敵を攻撃して、倒して、経験値を獲得する。イラストを描いて、完成させて、イラストスキルを向上させる。こう考えると何となくイメージが湧きませんか?
しかし敵も攻撃手段を持っています。前述した構図やらデッサンやらバランスといった課題です。初心者の方が苦戦しそうな技を繰り出してくるのです。

イラストレーター、もしくはイラストレーター志望の方が「自分にはイラストを描く技量やセンスがない…」と痛感するタイミングは、自分の技量をはるかに上回るイラストを描こうとして満足のいくイラストが描けなかったときです。
神絵師の塗り方を参考にすれば最高の作品が出来上がる!と、わくわくしてペンを走らせたのに、「神絵師の描き方を参考にしたのに全然バランスが違う…」「グラデーションやブラシツールを使った陰影の表現ができない…」「物の質感がすべて同じになってしまう…」「人物を左右反転させたら奇形が生成されてしまった…! 」こう言った事態になってしまうのです。
さらには、イラストをSNSに挙げていい反応が得られなかった時や、同じようなイラストを描いているフォロワーとの反応の差を目の当たりにした時にも「やっぱりだめだ、自分は絵が下手なんだ…」と悲観的になってしまいます。

これはRPGで例えるなら、序盤の主人公が裏ルートを開拓してラスボスがいる城に乗り込んで玉砕されるようなものです。ひのきのぼう で デスピサロ は倒せませんし、ポケモンの御三家1匹を連れて、レベル上げしないままチャンピオンロードに挑んでも勝てませんよね。

大事なことは、今の自分のレベルを知り、今の自分に合ったイラストを描くことです。

解決法その1:ひたすら描く!

結論から言いましょう。
レベルアップするためにはただ一つ、ひたすら描くしかありません!
「そんなことは分かっているんだよ!」「ここにきて精神論かよ!」という意見が聞こえてきそうですが、精神論とかではなく本当にこれが重要なのです。
前述したように、イラストの実力が伴わないまま大作に挑もうとしても、多くの場合待っているのは失敗体験です。うまくいかなかった、という失敗体験は積み重ねると挫折に繋がります。

少し心理学の話をしましょう。
「成功体験」と「失敗体験」というものがあります。
「成功体験」はざっくり説明すると、物事をやり切った、満足した、成功した!とポジティブな実感を得られる状態を言います。この積み重ねで得られるものは「自信・次のステップへの意欲」です。
「失敗体験」というのは、物事がうまくいかなかった、納得できなかった、失敗した…とネガティブな感想が先行している状態です。この積み重ねで得られるのは「自信の喪失・挫折」です。

今の自分のイラストレベルに見合ったイラストを描いたり、練習を重ねている人はすでに成功体験を得ている可能性があります。「神絵師のように上手なイラストとは言えないけれど、これくらいは描けるようになったな」「練習の甲斐あって、最近は顔のパーツのバランスが取れてきたかも。首から下のイラストを描くことにも挑戦してみようかな?」といった具合です。
反対に、基本的なイラストスキルに自信がない、または自信をすでに失っている人は失敗体験が続いているのでしょう。自分の描いたイラストに納得がいかなかったり、ほかの人のイラストと見比べて実力の差を感じてしまったりして、自分のイラストスキルに自信がなくなってしまうのです。

イラストスキルをレベルアップさせるには、とにかく書き続けることです。要はレベリングです。
序盤のステージに出現する敵から得られる経験値は少ないものです。しかし、たくさん敵を倒せば結果的には多くの経験値が手に入りますよね。そうしてレベルを上げていくことで、次のステージに進んでもある程度は戦えるようになっているはずです。

そう身構えずに、まずは描いてみましょう。
今まで目や顔のパーツをバラバラに練習していた人は、一つの顔として描いてみる。
顔だけを描いていた人は髪の毛を足して、胸元までのイラストを描いてみる。
適当なラフを描いて雰囲気に満足していた人は、実際にペン入れして線画を作成する。
人間や動物を単体で描けるようになった人は、簡単な背景や小物を足してみる。

このように小さくタスクを分けていくことで、成功体験を重ねやすくなります。
もしいずれかの段階で躓いてしまったら、それが今のあなたのレベル(実力)であり、次のステップに進むための課題です。

解決法2:イラストの描き方を学ぶ!

これまでの項目で説明してきたように、自分のレベルを知って、自分のレベルに見合った(無理をしない)イラストを描くことが成功体験へつながる練習方法です。
物足りないから、と言ってステップを数段すっ飛ばしてしまうと、結局どこかのタイミングで大きく転んでしまうこともあるかもしれませんので、練習では堅実に行きましょう。

そうはいっても、ただ自分のイラストとにらめっこしているだけでは少々時間がかかります。
もう少し効率よくレベルアップを狙う方法があります。
それは「基本的なイラストスキルを自分以外の人から学ぶ」ことです!

自分のイラストの成長過程を認められるのはとても素敵なことであり大事なことです。
しかし、自分ひとりのイラストしか見ないとなると、イラストの世界そのものが自己完結してしまいます。せっかくインターネットが普及している現代なのですから、SNSやコミュニティを活用しない手はありません。活用しましょう!何かをつぶやけとか、タグ乱用してフォロワー増やせとか、そういうことではなく「世界をもっと広くるためのツールとして活用しよう」ということです。

RPGの例え話を覚えていますか?
例えるなら、イラスト作品を完成させることは「敵を倒すこと」です。イラストを描く(ラフ=色塗り、加工など)ことは敵に攻撃すること。デッサンなどの技法を学んだり、目の描き方や手の描き方を練習するのはスキル(必殺技)のレベルを上げることに該当します。

この章でお勧めするのは「スキル(必殺技)のレベルアップ」です。
あなた自身が身に着けている武器でも敵と戦うことができ明日が、場合によってはスキルを使うことで戦況を有利に進められる場面がありますよね。それは人体や物体のデッサンだったり、瞳や髪の塗り方だったり、水彩ツールで背景を書き込む技法だったりします。
「今の実力でこのポーズを描くにはちょっと自信がないな…似たようなポーズを描いている人がいないか探してみよう。ポーズ写真やデッサン人形を参考にすると描けるかもしれない!」といった具合です。

スキルは一度見につけば今後一生活用できる優れものです。さらに、スキルに磨きがかかればより強力な必殺技としてあなたの味方になってくれます。
描き慣れた顔の角度や、吸い込まれるような瞳の塗り方、躍動感あるポーズやエフェクトなど…これらを極めたり幅広く習得することで、イラストの表現の幅がぐーんと広がるのです。

ここで一つ注意してほしいことがあります。
それは「自分よりちょっと上手い人のイラストを参考にする!最初から神絵師のイラストを参考にしない!」です。
ここが重要です。参考にするのはあくまで自分よりちょっと上手い人、もしくは同じくらいのレベルの人です。間違っても神絵師を参考にしてはいけません。手持ちのポケモン一匹でチャンピオンロードに行けばどうなるかは想像に容易いと思います。
まずはポケモンをたくさん捕まえて、レベルを上げて、近くの町のトレーナーやジムリーダーに挑戦しましょう。イラストも同じことが言えます。

「神絵師くらいの人じゃないと、参考にならないんじゃないの?」と言う意見を持つ人がたまにいます。もちろん神絵師と呼ばれているくらいの人たちが駆使しているテクニックは大変すばらしいものですが、彼らのイラストは情報量が多く、一度に理解することが難しい場合がほとんどです。
まずは焦らず、近いレベルの人たちからスキルを吸収しましょう。

おわりに

今回は初心者の方向けに、初心者イラストレーターが陥りやすい問題とその解決法についてお伝えしました。今回紹介した例のほかにも陥りやすい問題というのはいくつかありますので、記事を分けて解説していきたいと思います。参考になれば幸いです。
焦らず、堅実に、レベルを上げてスキルアップを目指しましょう!
それではまた次回の記事もお楽しみに!

コメント

タイトルとURLをコピーしました